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笹川日仏財団がお届けするプログラム「フレンチ・クラシック・カフェ」。フランス音楽の素敵なところをちょっと変わった切り口でご紹介します。ご案内役は軽妙なトークで定評のある指揮者の中田昌樹さんです。 《中田昌樹プロフィール》 1951年札幌生まれ。道立札幌西高校卒業。国立音楽大学器楽学科卒業後、フランスに留学。パリ・エコール・ノルマル音楽院指揮科を一等賞首席にて卒業。アメリカ・タングルウッドで小澤征爾、バーンスタインの教えを受ける。 パリ・コンセール・パドゥルー管弦楽団を指揮してヨーロッパデュー、その後、フランス国立リヨン管弦楽団で音楽監督セルジュ・ボドのアシスタントを務める。ベルリン放送交響楽団、ブルガリア国立ソフィア室内管弦楽団などヨーロッパ各地で指揮。 帰国後、新国立劇場開場当初からオペラ制作に携わり、オペラ研修所特任講師も務める。 吹奏楽の分野では、吹奏楽コンクール全国大会/支部大会/県大会の審査、各地の指揮講習会の講師を長年に渡って担当。 札幌大学文化学部 客員教授、新国立劇場オペラ制作部 専門員、新国立劇場オペラ研修所特任講師 、Institut Francais du Kyushu (九州日仏会館) 『フランス音楽の陰影』レクチャー講師 等を歴任。
- 147 - #146 シューベルトへのオマージュ、ラヴェル『高雅で感傷的なワルツ』
7つのワルツとエピローグからなり、それぞれ異なる表情が味わえる作品です。1911年、独立音楽協会が趣向を凝らしたサル・ガヴォーでのコンサートで初演されました。
シューベルトの天才的な転調からインスピレーションを得て、ラヴェルのこの曲もまた、輪郭が浮遊するような独特の調性感で書かれています。この系譜はオリヴィエ・メシアンにも繋がっていきます。
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『高雅で感傷的なワルツ』より 第1番 中庸の速さで・第3番 中庸の速さで・第7番 いくらか活発に
指揮/Leonard Slatkin 演奏/Lyon National Orchestra, (指揮)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 May 2024 - 20min - 146 - #145 芳醇かつ流麗なピアノの響きを追求したラヴェル『ラ・ヴァルス』
前回に続いて、ラヴェルの『ラ・ヴァルス』をお届けします。
今回は色彩感豊かなオーケストラ・バージョンとは違った、いわば同じ色合いで濃淡をくっきりと浮かび上げるピアノならではのサウンドをお楽しみいただきたいと思います。
番組後半では、吉田秀和氏が朝日新聞に長年執筆していた「音楽展望」という記事に触れ、ラヴェルの人間像を物語る3つのエピソードが披露されます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ラ・ヴァルス』 指揮/中田昌樹 演奏/エルムの鐘交響楽団(管弦楽版)、今岡美保・望月美希(2台ピアノ版)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 May 2024 - 32min - 145 - #144 渦巻く雲の中に浮かぶワルツを踊る男女の姿、ラヴェル『ラ・ヴァルス』
2週にわたって、モーリス・ラヴェルの『ラ・ヴァルス』をお届けします。
ワルツはフランス語だとヴァルス。はじめピアノ・ソロのために書かれた曲ですが、後にラヴェル自身がピアノ・デュオとオーケストラのために編曲しました。今回はピアノ・デュオ版とオーケストラ版を聴きましょう。
単色の墨絵のような情景から、多色の錦絵の世界へと変化する様が如実に現れ、それぞれの良さをうまく生かした作品が味わえるのではないでしょうか。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ラ・ヴァルス』 指揮/中田昌樹 演奏/エルムの鐘交響楽団(管弦楽版)、今岡美保・望月美希(2台ピアノ版)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 May 2024 - 30min - 144 - #143 エロール『ザンパ』再び!
#39でもご紹介したフェルディナン・エロールの『ザンパ』を再びお届けします。
オッフェンバックの作品とも共通して賑々しく軽快な曲想ではありながら、エロールの作品にはパリ・オペラ座やパリ・オペラ・コミック座で演奏される事を念頭にして、より理路整然とした、構築性があるように思われます。
これは、エロールが名誉あるローマ大賞を得て、ローマにだけでなく、ウィーンなどなどの異文化に触れたことも影響しているでしょうか...。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フェルディナン・エロール作曲『ザンパ』序曲 指揮/中田昌樹 演奏/関西学院交響楽団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 26 Apr 2024 - 23min - 143 - #142 賑々しいだけではないオッフェンバック『天国と地獄]序曲
前々回お届けしたオッフェンバックの『天国と地獄』は賑々しいだけの曲ではありません。抒情的でメロディアスな部分があってこその絶妙なバランスで成り立っている名曲です。
番組後半では、ムーラン・ルージュと並んでパリのキャバレー文化を代表するミュージックホール、クレイジーホースにまつわる貴重な体験談がお聞きいただけます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジャック・オッフェンバック作曲喜歌劇『天国と地獄』序曲
Martin Sieghart/指揮 CSR Symphony Orchestra, Bratislava/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 19 Apr 2024 - 24min - 142 - #141 絶世の美女を想起させる流麗な音楽オッフェンバック『美しきエレーヌ』序曲
今週は、絶世の美女であったスパルタ王妃ヘレネの誘惑のストーリーをオペレッタにしたオッフェンバック『美しきエレーヌ』をお届けします。
ここでパロディ化されているのは、当時の絶世の美女であった皇帝ナポレオン3世の妻、ウジェーヌではないかという説もありますが、真偽の程はともあれ、この作品も『天国と地獄』同様大成功を収めます。
このオペレッタのフランス語の原題は『La Belle Hélène(ラ・ベル・エレーヌ)』。これは洋梨とチョコレートを使ったフランスの代表的なスイーツの名前でもあるのですが、このオペレッタが由来という説もあります。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジャック・オッフェンバック作曲喜歌劇『美しきエレーヌ』序曲
Darrell Ang/指揮 Lille National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 12 Apr 2024 - 20min - 141 - #140 当時の世相を反映し大ヒットしたオッフェンバック『天国と地獄』序曲
今回は、連続228回も上演されたほど大当たりをしたジャック・オッフェンバック作曲の『天国と地獄』をお届けします。
ギリシャ神話のオルフェオとエウリディーチェの悲劇を、当時の世相を反映した《夢幻オペラ》(Opéra féérie)として喜劇化した作品に、当時の聴衆はおおいに興味をそそられました。
そのストーリーもさることながら、優美な旋律とそれを盛り立てるハーモニーの進行の素晴らしさもこの作品の大きな魅力となっています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジャック・オッフェンバック作曲喜歌劇『天国と地獄』序曲
Martin Sieghart/指揮 CSR Symphony Orchestra, Bratislava/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 Apr 2024 - 17min - 140 - #139 多様で聴き応えあるデザンクロ『サクソフォン四重奏曲』
ビゼー『アルルの女』、ドビュッシー『アルトサクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』、ムソルグスキー作曲/ラヴェル編曲『展覧会の絵』より「古城」と、サクソフォン・ソロにフォーカスしてご紹介してきましたが、今回はサクソフォンの四重奏曲をお届けします。
この作品はアルフレッド・デザンクロが1964年に作曲、サクソフォンの特性を熟知した上で、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4本の音色や音量を活かしつつ、多様な音楽を紡ぎ出して行きます。それゆえに、高い演奏技術も求められる難曲です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アルフレッド・デザンクロ作曲『サクソフォン四重奏曲』
日本経済大学・吹奏楽部/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 29 Mar 2024 - 21min - 139 - #138 サクソフォンの名曲といえばラヴェル編曲『展覧会の絵』- 「古城」
今週もサクソフォンの音色を活かしたムソルグスキー作曲、モーリス・ラヴェル編曲の組曲『展覧会の絵』より第2曲「古城」をお届けします。
『展覧会の絵』の原曲はピアノ・ソロでしたが、そのスケールの大きさゆえに、ボストン・シンフォニーの音楽監督だったセルゲイ・クーセヴェッキーがこの曲のオーケストレーションをラヴェルに依頼。
ラヴェルは「古城」の古く朽ちた城の暗さを表現するのに、やはり音域の幅が広く表現力豊かなサクソフォンを選んだのでしょうか。
奇しくも、ナビゲーターの中田昌樹さんのヨーロッパ・デビュー演奏会のメイン曲が、この『展覧会の絵』。その選曲にまつわるエピソードが番組後半で明かされます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モデスト・ムソルグスキー作曲/モーリス・ラヴェル編曲 組曲『展覧会の絵』:第2曲 古城
Leonard Slatkin/指揮 Lyon National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 22 Mar 2024 - 16min - 138 - #137 ミステリアスなドビュッシー『アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』
ビゼーが『アルルの女』組曲で用いたのとは、全く異なる性格のアルト・サクソフォンの特性を活かした、ドビュッシーの『アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』。
この曲はエリザ・ホール夫人というサクソフォン奏者から委嘱され、1901年から1908年の間に書かれました。
全音音階などのドビュッシー独特の、少し不安定でミステリアスなサウンドの中に、この時期作曲したほかの作品の断片が聞こえてきますが、それにはどうやらその頃のドビュッシーの私生活が関係している様です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲/ポール・デュカス編曲 『アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』
Theodore Kerkezos/指揮 Philharmonia Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Mar 2024 - 13min - 137 - #136 お馴染みのあの曲!ビゼー『アルルの女』第2組曲 - ファランドール
エルネスト・ギロー編纂による『アルルの女』第2組曲の最後の曲は誰もがどこかで聴いたことのある「ファランドール」です。 この曲では、プロヴァンス地方の舞曲『王様(たち)の行進』『狂った馬のダンス』が効果的に用いられています。 中田昌樹さんがまだ指揮者として駆け出しの頃、子供たちがおそらく初めてオーケストラの演奏を聞く音楽鑑賞教室で、この『ファランドール』などの名曲を指揮した時の経験談も語られます。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第4曲 - ファランドール Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Mar 2024 - 13min - 136 - #135 フルート・ソロの名曲で始まるビゼー『アルルの女』第2組曲 -メヌエット
エルネスト・ギロー編纂による『アルルの女』第2組曲の第3曲「メヌエット」。この曲はビゼーのオペラ『美しきパースの娘』から取り入れられた楽曲なのです。
冒頭のフルートのソロは名曲中の名曲。途中からほかの管楽器の音色が加わり、甘美なサウンドが奏でられますが、何気ない演奏に聞こえて実は奏者にとっては微妙な技術が求められる曲でもあります。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第3曲 - メヌエット
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 01 Mar 2024 - 10min - 135 - #134 ギローによるオーケストレーションの妙、ビゼー『アルルの女』第2組曲- 間奏曲
エルネスト・ギロー編纂による『アルルの女』第2組曲の第2曲「間奏曲」をお届けします。
中間部の旋律は、サキソフォンの艶やかな音色で、柔和な表現を存分に活かしています。また、オーケストラの音の密度の幅の変化や、音域の位置による緊張感の変化など、オーケストレーションの妙が随所にみられます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第2曲 - 間奏曲
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 23 Feb 2024 - 12min - 134 - #133 音像の設計に注目!ビゼー『アルルの女』第2組曲 - パストラール
ビゼー自身の編纂による『アルルの女』第1組曲に続き、今度はエルネスト・ギローによって編纂された第2組曲をご紹介します。 第1曲の「パストラール」は田園を舞台として重厚な響きで始まり、トロンボーンなど楽器が効果的に使われています。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第1曲 - パストラール Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 16 Feb 2024 - 13min - 133 - #132 絶妙な距離感と明暗を持つビゼー『アルルの女』第1組曲 - カリヨン
ビゼーの組曲『アルルの女』第1組曲の最後を飾る第4曲は「カリヨン」です。
カリヨンとは、それぞれピッチのついた多数の鐘を一組みにして、教会の鐘楼などにつるして打ち鳴らす楽器のこと。絶妙な距離感と明暗を持つこの曲は、17歳で作曲した交響曲ハ長調と比べ格段に成長したビゼーの音楽的な感性や技術が見事です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第1組曲 第4曲 - カリヨン
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 09 Feb 2024 - 11min - 132 - #131 マーラーを彷彿とさせる⁈ビゼー『アルルの女』第1組曲 - アダージェット
ビゼーの組曲『アルルの女』第1組曲より第3曲「アダージェット」をお届けします。
弦楽四重奏で始まるこの楽曲は、対位法を規則通りに用いつつも、倚音(いおん)を巧みに使った手法で描かれてます。
パリ音楽院でのビゼーの勤勉さが感じられる一方、時代を下ったマーラーの交響曲第五番の「アダージェット」を予見させる芳醇さも見出せます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第3曲 - アダージェット
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Feb 2024 - 11min - 131 - #130 軽やかで流麗なビゼー『アルルの女』第1組曲 - メヌエット
前回に続き、ビゼーの組曲『アルルの女』第1組曲を紹介します。
第2曲は「メヌエット」。メヌエットはもともと「menu(=小さい)」を語源とした宮廷舞曲ですが、ビゼーの軽やかで流麗な流れのこの楽曲には、近代にも通じるような音楽の構成を随所に見ることができます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第2曲 - メヌエット
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Feb 2024 - 08min - 130 - #129 芳醇なるハーモニーが展開するビゼー『アルルの女』第1組曲 - 前奏曲
交響曲ハ長調に続き、同じくビゼーの組曲『アルルの女』を紹介します。
『アルルの女』はビゼー自身が編纂した第1組曲と、ビゼーの死後ギローによる編纂の第2組曲がありますが、まずは第1組曲からご紹介します。
シンプルな交響曲ハ長調とは異なり、芳醇なハーモニーの展開に溢れる作風をご堪能ください。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第1組曲 - 前奏曲
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 19 Jan 2024 - 14min - 129 - #128 明るい中に転調の妙、ビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーの交響曲ハ長調の第4楽章です。
この最終楽章では、モーツァルトを彷彿とさせる天真爛漫で明るいサウンドの中に、ビゼーの天才的ともいえる転調の妙を感じとることができます。
モーツァルトといえば映画『アマデウス』が思い起こされますが、もともとの舞台作品はアメリカ、フランス、日本でそれぞれ異なる演出だったようです。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第4楽章 Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 12 Jan 2024 - 13min - 128 - #127 あの名曲を予感させるビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーの交響曲ハ長調の第3楽章です。
A-B-A'という古典的な形式の中に、後のビゼーの名曲『カルメン』や『アルルの女』をふと予感させるハーモニーが見出されます。
プログラムの後半では、1980年代のパリの管弦楽団の録音会場や楽譜にまつわるエピソードも語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第3楽章 Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 Jan 2024 - 12min - 127 - #126 天衣無縫な若き日のビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーの交響曲ハ長調の第2楽章です。 1855年、ビゼー17歳の時に作曲されたこの交響曲の第2楽章は、初々しくも弦楽器の甘美かつフーガによるシンプルなサウンドが奏でられる作品となっています。 ビゼーは、新進の芸術家たちにとって登竜門的存在であるローマ大賞を受賞してローマ留学を果たしますが、その後の作曲家としての道のりは厳しいものがあったようです。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第2楽章 Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 Jan 2024 - 13min - 126 - #125 初演まで80年!ビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーが17歳の時に作曲した交響曲ハ長調をお届けします。
これ以上シンプルで明るいものはないというくらい天真爛漫な曲想の作品で、ある音楽学者に発見され、指揮者のワインガルトナーによって初演されたのが作曲後80年という、埋もれた名作でした。
番組の後半ではワインガルトナーの功績についても触れられています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第1楽章
Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 22 Dec 2023 - 14min - 125 - #124 バッハに始まりオッフェンバッハで終わる?-サン=サーンス『ピアノ協奏曲』第2番- 第3楽章
カミーユ・サン=サーンスの『ピアノ協奏曲』第2番の第3楽章です。
楽章ごとに全く異なる表情を見せるサン=サーンスのこのコンチェルトですが、第3楽章ではイタリア南部の激しい舞曲の後に、教会に足を踏み入れた時に鳴り響くような、オルガンの重厚さを再現する曲想が奏でられます。
この協奏曲で、軽快かつ素晴らしいピアノを演奏しているのはロマン・デシャルム、#108〜#111でご出演いただいたソプラノ歌手の安田麻由子さんのご主人です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『ピアノ協奏曲』第2番 ト短調 第3楽章
Marc Soustrot/指揮 Romain Descharmes/ピアノ
Malmö Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Dec 2023 - 09min - 124 - #123 陽光煌めくサン=サーンス『ピアノ協奏曲』第2番- 第2楽章
カミーユ・サン=サーンスの『ピアノ協奏曲』第2番の第2楽章です。
この楽章はティンパニーから始まりティンパニーで終わる、とても珍しい曲です。しかも第1楽章と異なり、地中海の明るい太陽を思い起こさせるような明るく流麗な曲調です。
やはり珍しく曲の冒頭がティンパニーで始まるベートーヴェンの『ヴァイオリン協奏曲』にまつわる、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のミッシェル・シュヴァルベとの印象的なエピソードも番組後半で語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『ピアノ協奏曲』第2番 ト短調 第2楽章
Marc Soustrot/指揮 Romain Descharmes/ピアノ
Malmö Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 08 Dec 2023 - 14min - 123 - #122 踏襲と予感のサン=サーンス『ピアノ協奏曲』第2番- 第1楽章
カミーユ・サン=サーンスのピアノ協奏曲2作品のうち、1868年に作曲された第2番をお届けします。
協奏曲第1番も第2番も初演は自分で弾くほどのピアノの名手だったサン=サーンス。第1楽章だけでも多種多様な音楽が流れる、この巨匠の多面的な音楽的才能をご堪能ください。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『ピアノ協奏曲』第2番 ト短調 第1楽章
Marc Soustrot/指揮 Romain Descharmes/ピアノ
Malmö Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 01 Dec 2023 - 13min - 122 - #121 “神に誇ってもよいくらいの作曲家”サティ『ジムノペディ』
今回は、エリック・サティ作曲の『ジムノペディ』をドビュッシーのオーケストラ編曲版でお聴きいただきます。
オーケストレーションによって多様な音色が重なって、いわば点描のようなピアノ版とは異なり、イメージの膨らみが感じられるのではないでしょうか。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エリック・サティ作曲 『ジムノペディ』第1番 (オーケストラ版/クロード・ドビュッシー編曲)
ジェローム・カルテンバック/指揮 ナンシー歌劇場交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Nov 2023 - 17min - 121 - #120 自筆の楽譜が楽しい-サティ『スポーツと気晴らし』その2
エリック・サティが高級婦人雑誌の企画でシャルル・マルタンの20枚のイラストに曲をつけた『Sports et divertissements(スポーツと気晴らし)』の2回目です。
今回もまずは曲を聴いてどんなイラストが描かれているか、想像しながら聴いてください。
#108~#111でご出演していただいたソプラノの安田麻由子さんがNHKテレビ「名曲アルバム」で前回の『Je te veux』を演奏していますので、ぜひご鑑賞ください。
サティ作曲 「ジュ・トゥ・ヴ~あなたが欲しい~」
ピアノ 本田聖嗣 ソプラノ 安田麻佑子
11月22日(水) 5:55-6:00 BSP/BS4K
11月23日(木) 6:20-6:25 Eテレ
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エリック・サティ作曲 『スポーツと気晴らし』より 「競馬」「陣取り遊び」「ピクニック」「ウォーターシュート」「そり」「いちゃつき」「花火」
Klára Körmendi(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 Nov 2023 - 11min - 120 - #119 自筆の楽譜が楽しい-サティ『スポーツと気晴らし』その1
エリック・サティの2回目です。 今回お届けするのは、高級婦人雑誌の企画でシャルル・マルタンの20枚のイラストにサティが曲をつけた『Sports et divertissements(スポーツと気晴らし)』です。絵に応じた20曲のほかに、前置きとしてサティ自身が「まじめで立派なコラール」と称する「序曲」もあります。 自筆の楽譜には、拍子の指定も小節線もなく、演奏は音楽家のイメージに委ねられていて、時代を先取りしているかのようです。 #108~#111でご出演していただいたソプラノの安田麻由子さんがNHKテレビ「名曲アルバム」で前回の『Je te veux』を演奏していますので、ぜひご鑑賞ください。 サティ作曲 「ジュ・トゥ・ヴ~あなたが欲しい~」 ピアノ 本田聖嗣 ソプラノ 安田麻佑子 11月11日(土) 14:50-14:55 NHK総合TV 11月15日(水) 12:40- 12:45 Eテレ 11月23日(木) 6:20-6:25 Eテレ BSP/BS4K 11月22日(水) 5:55-6:00 同じく安田麻由子さんがNHK FMラジオ「リサイタル・パッシオ」に出演されます。あわせてご鑑賞ください。 リサイタルとお話(ドビュッシー、R,シュトラウス、プーランク 他) MC 金子三勇士 ピアノ 江澤隆行 ソプラノ 安田麻佑子 再放送11月12日(日) 5:00-5:35 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】エリック・サティ作曲 『スポーツと気晴らし』より 「序曲」「ブランコ」「狩」「イタリア喜劇」「花嫁の目覚め」「目隠し鬼」「魚釣り」 Klára Körmendi(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 Nov 2023 - 13min - 119 - #118 誰もが聞いたことのあるあのメロディ-サティ『Je te veux』
これから4回にわたってエリック・サティを取り上げます。 今回お届けするこの曲は、誰もがどこかで聞いたことがあるけれども、曲のタイトルはわからない人が多いのではないでしょうか。これはサティ作曲の『Je te veux(ジュ・トゥ・ヴ)』。直訳すれば「あなたが欲しい」ですが、これはもともとスローワルツの女王と言われたポレット・ダルティのために書かれたシャンソンで、サティ自身がピアノ独奏用に編曲したものです。そのため結構低いキーで書かれています。 #108〜#111でご出演していただいたソプラノの安田麻由子さんがNHKテレビ「名曲アルバム」でこの『Je te veux』を演奏していますので、ぜひご鑑賞ください。 サティ作曲 「ジュ・トゥ・ヴ〜あなたが欲しい〜」 ピアノ 本田聖嗣 ソプラノ 安田麻佑子 11月1日(水) 12:40-12:45 Eテレ 11月11日(土) 14:50-14:55 NHK総合TV 11月15日(水) 12:40- 12:45 Eテレ 11月23日(木) 6:20-6:25 Eテレ BSP/BS4K 11月6日(月) 5:55-6:00 11月22日(水) 5:55-6:00 同じく安田麻由子さんがNHK FMラジオ「リサイタル・パッシオ」に出演されます。あわせてご鑑賞ください。 リサイタルとお話(ドビュッシー、R,シュトラウス、プーランク 他) MC 金子三勇士 ピアノ 江澤隆行 ソプラノ 安田麻佑子 11月5日(日) 20:20-20:55 再放送11月12日(日) 5:00-5:35 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】エリック・サティ作曲 『Je te veux(あなたが欲しい)』 Nicolas Horvath(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 Nov 2023 - 11min - 118 - #117 楽しさとアンニュイが交錯するプーランク『六重奏曲』第三楽章
フランシス・プーランク作曲『六重奏曲』(木管五重奏+ピアノ)の第三楽章は、ゆっくりとした第二楽章とは対照的に、Prestissimo (プレスティッシモ)。 慌ただしく急いだテンポ感じで、沈黙していたピアノが目まぐるしく活躍します。また、ホルンの音質・音域の多様性が存分に生かされています。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 『六重奏曲』第三楽章 フィリップ・ベルノルド(フルート)、オリヴィエ・ドワーズ(オーボエ)、ロナルド・ファン・スパンドンク(クラリネット)、 ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)、エルヴェ・ジュラン(ホルン)、アレクサンドル・タロー(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 27 Oct 2023 - 09min - 117 - #116 楽しさとアンニュイが交錯するプーランク『六重奏曲』第二楽章
前回に続き、フランシス・プーランク作曲『六重奏曲』(木管五重奏+ピアノ)をお届けします。 今回の第二楽章は、ディヴェルティスモン/Divertissement(イタリア語でディベルティメント/ Divertimento 日本語では嬉遊曲)と副題のついている、許された中での音楽的な遊びが施され、シンプルな中にもそれぞれの楽器の特性がよく表されています。 久野麗著『プーランクを探して』(春秋社、2023年)に、プーランクが8歳の時に聞いたドビュッシーの『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』や12歳の時に観たビゼーの『カルメン』についての感想が紹介されていて、この作曲家の幼い頃からの鋭い感受性が見て取れます。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 『六重奏曲』第二楽章 フィリップ・ベルノルド(フルート)、オリヴィエ・ドワーズ(オーボエ)、ロナルド・ファン・スパンドンク(クラリネット)、 ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)、エルヴェ・ジュラン(ホルン)、アレクサンドル・タロー(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 20 Oct 2023 - 10min - 116 - #115 楽しさとアンニュイが交錯するプーランク『六重奏曲』第一楽章
オーボエ、ファゴット、ピアノによる『三重奏曲』に続き、同じくフランシス・プーランク作曲による木管五重奏+ピアノの編成の『六重奏曲』。
木管五重奏にはフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットに、なぜか金管楽器のホルンが入っていますが、木管楽器の素速い動きに、勝るとも劣らないホルンの素速いタンギングと雄弁な表現もこの曲のひとつの聴きどころでしょう。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 『六重奏曲』
フィリップ・ベルノルド(フルート)、オリヴィエ・ドワーズ(オーボエ)、ロナルド・ファン・スパンドンク(クラリネット)、
ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)、エルヴェ・ジュラン(ホルン)、アレクサンドル・タロー(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 13 Oct 2023 - 13min - 115 - #114 変幻自在のプーランク『三重奏曲』第三楽章
フランシス・プーランク作曲のオーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』の第三楽章です。
オーボエとファゴットという、お互いとても特徴的な音色の楽器で奏でられる旋律線が絡み合う中、巧みに寄り添うピアノは、曲全体を縁取るような絵画的な曲想が感じられます。
このダブルリードの楽器で、このように軽やかさを出すのは至難の業なのですが、これを可能としているのは、フランス語ならではの口の動きや舌の鋭敏さ、話す言葉の速さなども関連しているのではないでしょうか。これぞ軽妙洒脱としか言いようのないこの第三楽章をご堪能ください。
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲 オーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』第三楽章
オリヴィエ・ドリーズ(オーボエ)/ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)/アレクサンドル・タロー(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 06 Oct 2023 - 09min - 114 - #113 変幻自在のプーランク『三重奏曲』第二楽章
フランシス・プーランク作曲のオーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』の第二楽章です。
プーランクは、音域によって全く異なる響きを持つオーボエという楽器の特性をよく知っていたのでしょう。フルートやクラリネットに比べ、音圧が必要なダブル・リードならではのオーボエ表現力をお聴きください。
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲 オーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』第二楽章
オリヴィエ・ドリーズ(オーボエ)/ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)/アレクサンドル・タロー(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 29 Sep 2023 - 10min - 113 - #112 変幻自在のプーランク『三重奏曲』第一楽章
今回はフランシス・プーランクが20代半ばに作曲したオーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』を聴いていただきます。
この三重奏曲はフランス語でフランス語でTrio pour hautbois, basson et pianoと、ファゴットではなくバスーン(フランス語読みではバッソン)とあります。バスーンとファゴットは同じ楽器で、国によって呼び方が違うだけ(英語圏ではファゴットをバスーンと呼んでいます)と思われている方が多いかもしれませんが、実は似て非なる楽器です。機構や奏法なども異なります。
第一楽章は重々しく始まりますが、すぐにとても早口で喋っているかのような軽快なリズムとなり、そしてまたその後全く違った音楽となるといった、変幻自在の様相を呈しています。
フランスは木管楽器の名人たちを多く輩出していますが、それは彼らが、細かい口や舌の動きが求められるフランス語話者であることが影響しているのかもしれません。
なお、番組内ではなかなか伝え切れない内容を中田昌樹さんがご自身のFacebookでフォローくださっていますので、こちらもご参照ください。
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 オーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』 オリヴィエ・ドリーズ(オーボエ)/ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)/アレクサンドル・タロー(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 22 Sep 2023 - 12min - 112 - #111 フランス歌曲の珠玉-安田麻佑子さんをお招きして(その4)
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんをお招きしての4回目、最終回です。 今回は、安田さんの声質である、ソプラノの中でも高い音を得意とする、コロラトゥーラ・ソプラノのレパートリーに多く取り上げられる「うぐいす」がテーマです。 「うぐいす」と名のつく曲はほとんど歌った、という安田さん。 鳥のさえずりを聞くと、それが音符になって感じてしまうフランス人の音楽仲間や、鳥の鳴き声を採譜してたくさんの作品を作曲したオリビエ・メシアンまで話は広がりました。フランス人には自然を愛で、それを捉えて芸術作品に高める鋭い感性があるのでしょう。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】アルバム『Estampes』よりレイナルド・ハーン作曲 『リラに来るうぐいす』、レオ・ドリーブ作曲『うぐいす』 安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)/フルール・グルネセン(フルート) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Sep 2023 - 17min - 111 - #110 フランス歌曲の珠玉–安田麻佑子さんをお招きして(その3)
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんをお招きしての3回目です。 青白く揺蕩う月の光に魅せられたフランスの作曲家たち。ドビュッシーとフォーレ、同時代に活躍したふたりですが、その作風の違いに対する、安田さん自身の向き合い方についてのお話は興味深いものがあります。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】アルバム『Estampes』よりクロード・ドビュッシー作曲 『月の光』、ガブリエル・フォーレ作曲『月の光』 安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 08 Sep 2023 - 18min - 110 - #109 フランス歌曲の珠玉–安田麻佑子さんをお招きして(その2)
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんをお招きしての2回目です。
個性豊かなドビュッシーの作品や、これぞフランス歌曲というアーンの曲について、その魅力を語っていただきます。
パリ市立シャトレ劇場のデビューに、モーツァルト『魔笛』の夜の女王に抜擢されたコロラトゥーラの安田さんが奏でる、美しい演奏をご堪能ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アルバム『Estampes』よりクロード・ドビュッシー作曲 『ピエロ』『あやつり人形』『中国のロンデル』、エルネスト・ハーン作曲『春』
安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 01 Sep 2023 - 25min - 109 - #108 フランス歌曲の珠玉—自然からのインスピレーション
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんがフランスのレーベルArties'sから2016年に発表したアルバム『Estampes』より、珠玉のフランス歌曲の数々をこれから3回にわたってお届けします。
Estampe(エスタンプ)はフランス語で版画を意味します。日本の版画というと浮世絵ですが、このアルバムは浮世絵の世界にあるような花や鳥、虫をテーマにプログラムしたそうです。
一時帰国中の安田さんにお越しいただき、フランスでの舞台秘話など、いろいろなエピソードを語っていただきました。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アルバム『Estampes』よりジョルジュ・ビゼー作曲 『てんとう虫』、エルネスト・ショーソン作曲『ハチドリ』
安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 25 Aug 2023 - 21min - 108 - #107 華やかで多彩、管楽器のオーケストレーションの妙-ラヴェル『鏡』より「道化師の朝の歌」(管弦楽版)
ピアノ組曲『鏡』の「道化師の朝の歌」をラヴェル自身がオーケストレーションした管弦楽版でお届けします。
『ダフニスとクロエ』や『ラ・ヴァルス』と同様、高度なテクニックを必要とする管楽器の躍動と、多彩な種類の打楽器の使用で、華麗なサウンドを奏でます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第5曲「道化師の朝の歌」(管弦楽版)
フランス国立リヨン管弦楽団、レナード・スラットキン(指揮)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 18 Aug 2023 - 10min - 107 - #106 スペイン人よりもスペイン的?ーラヴェル『鏡』より「道化師の朝の歌」(ピアノ盤)
組曲『鏡』の中でも最も演奏される機会が多い「道化師の朝の歌」。唯一「Alborada del gracioso」というスペイン語のタイトルがついていることからも想像できるとおり、とてもスペイン的な楽曲です。これ以外にも、ラヴェルはオペラ『スペインの時』や管弦曲『スペイン狂詩曲』など、スペインを意識した作品を多く残し、「スペイン人よりもスペイン的な曲を書く」と言われることもあります。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第5曲「道化師の朝の歌」 フランソワ・ジョエル・ティオリエ/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団 *このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 11 Aug 2023 - 08min - 106 - #105 カラフルな油絵のよう?-ラヴェル『鏡』より「海原の小舟」(管弦楽版)
モーリス・ラヴェル作曲のピアノ組曲『鏡』の中から、作曲家自身によってオーケストレーションされた「海原の小舟」をお届けします。 ヴィオラの中音域の音色を活かしたソロ、クラリネットやバスクラリネットの独特な奏法、ソルディーノ(弱音器)をつけた金管楽器の特殊な音色で、波飛沫のたつ海原で揺れる小さな舟の様子とともに、天候の情景までもが目に浮かぶような、ラヴェル独自の手法で見事に描かれています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第3曲「海原の小舟」(管弦楽版) フランス国立リヨン管弦楽団、レナード・スラットキン(指揮) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団 *このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 04 Aug 2023 - 08min - 105 - #104 作曲家を魅するものーラヴェル『鏡』より「海原の小舟」(ピアノ版)
アパッチ族をフランス語風に「アパッシュ」と名乗り、「ならず者」を気取った芸術家グループ。ドビュッシーの斬新なオペラ『ペレアスとメリザンド』を擁護するなど新しい芸術を支持することを信条とし、毎週土曜日に集まって文学や音楽の新作を披露していました。世紀末のパリを象徴するこのサークルは、第一次世界大戦が始まった1914年に解散するまで、定期的に会合を開いていました。 モーリス・ラヴェルは、1904年から1905年にかけて作曲したピアノ組曲『鏡』の5つの曲をこのアパッシュのメンバーに献呈しています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第3曲「海原の小舟」 フランソワ・ジョエル・ティオリエ/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団 *このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 28 Jul 2023 - 09min - 104 - #103 カルメンのいない『カルメン』-エスカミーリョの巻
カルメンのいない『カルメン』の最終回です。
スペインの英雄、闘牛士のエスカミーリョにとってカルメンはどんな存在なのでしょう? バリトンの町英和さんが独自の視点で語ります。
そして、ピアノを演奏している江澤隆行さんからも『カルメン』の音楽性について短くも鋭いコメントをいただいています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 行進曲と合唱(第4幕)、闘牛士の歌(第2幕)
中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 町英和/バリトン 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 21 Jul 2023 - 21min - 103 - #102 カルメンのいない『カルメン』-ミカエラの巻
カルメンのいない『カルメン』の3回目。
ホセの故郷のバスクから想いを寄せる許嫁ミカエラ。プロスペール・メリメの原作にはない、清らかで純朴、弱々しいのか、はたまたそれは見かけだけで芯のある強い性格なのか。演出家や歌手によって性格づけが異なるという不思議な存在です。
番組後半では、カバーとアンダースタディというオペラ公演には欠かせない役割について、中田先生自らの経験に基づいた説明に「なるほど!」と納得。
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 第三幕への間奏曲、ミカエラのアリア(第3幕)
中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 吉田珠代/ソプラノ 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 14 Jul 2023 - 26min - 102 - #101 カルメンなしで『カルメン』を語る–ホセの巻
カルメンのいない『カルメン』の2回目です。 故郷の許嫁であるミカエラと再会後、カルメンと出会い、どんどんのめり込んでいくホセ。カルメンへの想いでいっぱいに膨らんだ胸の内を全て吐露する愛の告白「花の歌」は、少し物憂げな調べの曲です。きっと、聴いている人の心にも響くことでしょう。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 第四幕への間奏曲、花の歌(第2幕) 中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 後田翔平/テノール 江澤隆行/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
*今回ホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 07 Jul 2023 - 17min - 101 - #100 祝100回記念!-カルメンなしで『カルメン』を語る
レクチャーコンサートやオペラ演奏会でオペラを中心とするフランス音楽を紹介してきましたが、100回記念を飾る今回はフランスの代表作『カルメン』を再び取り上げます。
今までレクチャーコンサートやオペラに出演してもらい現在まで目覚ましい活躍をしている歌手たちに出演してもらい、「ちょっと変わった切り口」を謳う当番組らしく、カルメンのいないオペラ『カルメン』を語ります。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 第二幕への間奏曲/ミカエラとホセの二重奏(第1幕)
中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 後田翔平/テノール 吉田珠代/ソプラノ 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 30 Jun 2023 - 19min - 100 - #99 誰もが知っているあの名曲!Fri, 23 Jun 2023 - 26min
- 99 - #98 チェロと管弦楽のためのサン=サーンス『アレグロ・アパッショナート』
前回に続きサン=サーンスの『アレグロ・アパッショナート』をお届けします。ただし今回の作品はチェロとオーケストラのために書かれたもの。
コンセルヴァトワールの教授のために作曲した『チェロ協奏曲』と、友人のために作曲したこの『アレグロ・アパッショナート』には類似点や相違点があります。同じ頃に作られたこれら2つの作品それぞれの味わいを堪能してみてはいかがでしょうか?
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『アレグロ・アッパッショナート』 ロ短調 Op. 43 (チェロと管弦楽版) マルク・スーストロ/指揮 ガブリエル・シュヴァルべ/チェロ マルメ交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 16 Jun 2023 - 13min - 98 - #97 巧妙な謎かけあり!-サン=サーンス『アレグロ・アパッショナート』
1835年生まれのカミーユ・サン=サーンスにとって、偉大なる音楽の先人たちの筆頭としてべートーヴェンが一際大きな存在だったことは間違いありません。そのべートーヴェン以外にもサン=サーンスが影響を受けた作曲家たちがいます。 今回はそれらの作曲家の形式感が随所に見られる『アレグロ・アパッショナート』をご紹介します。音楽的にいろいろな仕掛けがこの曲に潜んでいるのは何故でしょうか。作曲の経緯を紐解いてみると、その理由にも納得です! 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『アレグロ・アッパッショナート』 嬰ハ短調 Op. 70 (ピアノ版) ジェフリー・バールソン/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 09 Jun 2023 - 15min - 97 - #96 心情を吐露するような情景を描く-ベルリオーズ『イタリアのハロルド』
ベルリオーズ作曲『イタリアのハロルド』の最終回は第1楽章を紹介します。
冒頭の荒涼としたところは、ベルリオーズの心の中に隙間風が吹くような情景を感じさせます。のちの『ファウストの劫罰』やその前に書いた『ファウストの八景』にも少し共通しています。また後半は、リズムの使い方など『幻想交響曲』に近いところもあります。
ビオラのソロはハロルドの語り部であり、そのハロルドの姿というのはベルリオーズが自分を重ねているような感じがしなくもありません。そうだとすれば、ヴィオラのソロの箇所があまり多くないのは、雄弁ではあるけれども多弁ではなかったベルリオーズの性格を表しているのかもしれません。
ベルリオーズは文学的思考が強く、劇的交響曲『ロメオとジュリエット』という曲を作り、オペラでもカンタータでもない形でいかに劇的な効果を生み出すかに腐心していたようです。今の時代からみるとなかなか斬新なことをしていたのではないでしょうか。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲 交響曲『イタリアのハロルド』 第1楽章 山におけるハロルド、憂愁、幸福と歓喜の場面
レナード・スラットキン/指揮 リズ・ベルトー/ヴィオラ フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Jun 2023 - 09min - 96 - #95 ヴィオラの独白を堪能する-ベルリオーズ『イタリアのハロルド』
ベルリオーズ『イタリアのハロルド』第3楽章をお聴きいただきます。
古典的な形式では、交響曲の3楽章はスケルツォといって舞曲が入ることが多いのですが、この曲はその形式を踏襲しています。ここでは、農民が収穫が終わってみんなでダンスをしているような音楽が出てきます。ベルリオーズの生家があるラ・コート=サン=タンドレは、リヨンとグルノーブルの間にある山間部の村で、ベルリオーズはパリに行ってからも思い出したりしていたのではないでしょうか。その故郷の村祭りをハロルドが遠くからみていて、ヴィオラの雄弁ともいえるような幅の広い音色で語りかけているかのようです。
そのラ・コート=サン=タンドレで指揮者のセルジュ・ボドが国立リヨン管弦楽団とともにフェスティバル・ベルリオーズを1979年に始めました。何年もかけてベルリオーズ作品を全部やるという壮大な計画で、彼が引退した後はブリュノ・メッシーナという音楽学者が後を継ぎ、今でもフェスティバルは続いています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲 交響曲『イタリアのハロルド』 第3楽章 アブルッチの山人が、その愛人に寄せるセレナード
レナード・スラットキン/指揮 リズ・ベルトー/ヴィオラ フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 26 May 2023 - 14min - 95 - #94 ベートーヴェンの偉大な影-ベルリオーズ『イタリアのハロルド』
ベルリオーズ自身が劇的交響曲と名付けた『イタリアのハロルド』。イギリスのバイロン卿の詩集にインスピレーションを受け、騎士(ナイト)を目指す若者が諸国を巡礼するという物語で、語部を受け持つのがヴィオラソロという少し変わったアプローチの曲です。
ベートーヴェンには「雷に打たれた」というほどに影響を受けたベルリオーズで、この曲もベートーヴェン的な交響曲が頭にあったのか、四楽章形式になっています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲 交響曲『イタリアのハロルド』 第4楽章 山賊の饗宴:前景の追想
レナード・スラットキン/指揮 リズ・ベルトー/ヴィオラ フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 19 May 2023 - 09min - 94 - #93 もっと演奏してほしい!-サン=サーンス『チェロ協奏曲第二番』
前回に続いてサン=サーンス作曲『チェロ協奏曲』の第二番をお届けまします。
サン=サーンス自身、第一番に比べてこの第二番は皆演奏したがらないだろうと言っていたようです。というのも、大袈裟な動きこそないものの、高い位置での三連符やポジション移動など、細かい技術が求められる実は結構大変な曲だからです。でも、チェロのシンプルで綺麗な音色を存分に生かしつつ、オーケストレーションも充実感ある曲なので、もっと演奏されてもいい曲ではないかと思います。
チェロの協奏曲といえばドボルザーク作曲のものが金字塔のように聳え立っていますが、その曲にまつわるベルリンフィルハーモニーでの若かりし頃のヨーヨーマのエピソードも番組後半(9分30秒〜)で語られます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第2番 ニ短調』 第二楽章 マルク・スーストロ/指揮 ガブリエル・シュヴァーベ/チェロ
マルメ交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 12 May 2023 - 15min - 93 - #92 流麗明朗な音色-サン=サーンス『チェロ協奏曲第二番』
サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲』の第一番につづき、第二番をお届けまします。
第一番に比べてほとんど演奏される機会のない第二番は二つの楽章に分かれていますが、第一楽章内が二つの部分に分かれており、三部形式の古典的で割合にきちっとした様式で書かれている曲です。冒頭は協奏曲というより交響曲のような情熱感溢れるサウンドで、その次にチェロの流麗で明るく、柔らかく朗らかな音域を使う部分が出てきます。
番組の後半では(15'06"〜)、3月下旬に京都フランス音楽アカデミーに講師で来ていたチェリストのアンリ・ド・マルケットさんへのインタビューの続きをお届けします。映画音楽の大家、ミッシェル・ルグランが彼のために書いたチェロ協奏曲の誕生秘話などが語られています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第2番 ニ短調』 第一楽章 マルク・スーストロ/指揮 ガブリエル・シュヴァーベ/チェロ
マルメ交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 May 2023 - 21min - 92 - #91 自由な形式感のはじまり-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』
弦楽器にとっての名人芸/ virtuosity である、難しいポジションを駆使する重音奏法をあまり使わないサン=サーンスの協奏曲は、ひたすら弦楽器の滑らかな音を、三連符の多用で無窮動(むきゅうどう)/Perpetuum mobile のような世界を創ります。
しかし、その動きがふと途絶えた刹那、中空に漂うような錯覚を抱くような静寂と敬虔な祈りの音楽が聞こえて来る、というのも、あのパリ・マドレーヌ寺院の広大で深い空間を熟知しているからでしょうか。
個人的な体験として、マドレーヌ寺院でヘンデルの大曲『メサイア』を指揮した時、ギリシャ神殿のような遮るものの無い、凄まじく広い直方体の中を、音の振動が空気を伝わって行くのを直に感じて、身震いした記憶が鮮明に残っています。
(中田昌樹)
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第1番 イ短調』 第3部 ジャン=フランソワ・モナール/指揮 マリア・クリーゲル/チェロ
ボーンマス・シンフォニエッタ/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 28 Apr 2023 - 13min - 91 - #90 フランスならではの小粋-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』
サン=サーンスが作曲した弦楽器のための協奏曲は、装飾的で超絶技巧を必要とする複雑な音符はあまり並んでいません。縦横無尽に音符が駆け巡るような音形が、極度に簡素化されたオーケストラの伴奏によって引き立つような配慮がなされています。
それはパリ・マドレーヌ寺院という、奥行き108m/幅43m/高さ33mのギリシャ神殿のような形状の、途轍もなく巨大な寺院で、19年という長きに渡る期間オルガン奏者を務め、天地を揺るがすような壮大に響く縦のハーモニーの中に身を呈していたサン=サーンスにとっての反作用で、横に連続する音符が軽妙に疾走する音楽が、まったく別世界で魅力的だったのかも知れません。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第1番 イ短調』 第2部 ジャン=フランソワ・モナール/指揮 マリア・クリーゲル/チェロ
ボーンマス・シンフォニエッタ/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 21 Apr 2023 - 10min - 90 - #89 多様な音の乱舞-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』
名作のあと書かれた曲は、その威光に隠れてしまって、音楽的にはより充実している筈であるのに、知名度が上がらない事もままあります。チャイコフスキーのやラフマニノフの協奏曲などもその例でしょう。
プーランクが『二台のピアノのための協奏曲』の約20年後、ボストン交響楽団から委嘱された作曲された、もう一曲の『ピアノ協奏曲』(通常の一台のための!)があります。
1950年、プーランク自身のピアノ、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団で初演が行なわれた素敵な曲です。しかし彼自身は、「弾いているうちに、聴衆の間に興味が停滞して行くのに私は気づいた」という感想を漏らしたと言われます。しかし一方で「ロマン派の協奏曲のような仰々しさを帯びていないし、また主題が伝統的な方法で展開されることもない。旋律自体が協奏曲であり、それがこの曲の特質の一つなのである」と好意的な批評もありました。
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第三楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 14 Apr 2023 - 12min - 89 - #88 モーツァルトが舞う-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』
サン=サーンスがあまりに早熟だったため、” Petite Mozart “ (プティ・モザール/モーツァルトの再来)と呼ばれていた、と。
事程左様に、フランスでもモーツァルトは天才の象徴で、その音楽も単なるお手本というより、憧憬に近いようなものがあったのでしょう。
そして、サン=サーンスも、モーツァルトのパラフレーズ/トランスクリプション(transcription)いう手法で、その存在に近づこうとしたのでしょうか…。
作曲中のプーランクにも、ふとモーツァルトが過(よぎ)る刹那があったに違いありません。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第二楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 07 Apr 2023 - 08min - 88 - #87 広汎な音が織りなす世界-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』
作曲家にとって、ピアノを連弾(四手)で弾くことは、八十八ある鍵盤をなるべくたくさん使い、より豊かな音量を求めることが、さぞかし興味深い事に違いなく、サン=サーンスをはじめ、パイプオルガンを習得した多くの作曲家たちが、その広い音域使用に引き込まれています。 さてピアノ二台で弾く場合は...。 音域的には重複することも頻発しますが、各々のピアノが各々違った音形や音像をはっきりと分離することも可能になります。 プーランクは『二台のピアノのための協奏曲』を演奏するにあたって、ピアノとオーケストラの配置などをスコアに細かく書き込まれています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第一楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 31 Mar 2023 - 10min - 87 - #86 軽妙洒脱・変幻自在・天真爛漫-プーランク『牝鹿』
フランス近代の音楽の進捗語るに於いて、バレエ・リュス(Ballets russes)の主宰者セルゲイ・ディアギレフの存在の重要性は見逃せません。 彼がまだ若い作曲家たちに依頼した作品といえば、ストラヴィンスキー『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』、ドビュッシー『遊戯』、ラヴェル『ダフニスとクロエ』、ファリャ『三角帽子』など、枚挙に暇(いとま)がありません。しかも音楽史上、画期的な作品となると曲ばかりで、彼の、その若い才能をいち早く見抜く先見の明には驚くばかりです。 そんなディアギレフが、まだ本格的なオーケストラ作品を書いていなかった24才のプーランクに作曲を依頼します。しかも「筋書きは特にない‥」という条件提示は、その期待値の大きさが表れています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第3曲 ラグ・マズルカ ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Mar 2023 - 09min - 86 - #85 ラモー回帰に向かう風-プーランク『牝鹿』
プーランク家は、代々大変裕福で、文化的にもとても高い関心を持つ中で育つ一方、両親は敬虔なカトリック教徒で、家系には聖職者を輩出することほどでした。
プーランク、20代前半の作品であるバレエ『牝鹿』の軽妙洒脱な中でも、祈りを想わせる静寂さが現れます。
また後に書かれた『グローリア』『スタバト・マーテル』などのオーケストラ付きの合唱曲は、洗練されたハーモニーを駆使した作風の中、神と真摯に向き合う教会での時間の体現でもあるのでしょう。
フランス革命の史実に基づいたオペラ『カルメル修道女の対話』は、遠く離れたコンピエーニュの修道院で敬虔な祈りと共に暮らす16人の修道女たちがパリに連行され、聖歌を歌いならも断頭台の露に消える無慈悲さのその刹那を、精緻にスコアに書き込んだ稀有な作品です。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第4曲 アンダンティーノ ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 Mar 2023 - 09min - 85 - #84 パリの爛熟した文化の中で-プーランク『牝鹿』
フランシス・プーランク。1899年、大統領府エリゼ宮近くに住む、代々続く大企業の経営者の家に生まれ、三男にもかかわらず兄ふたりが早世したため家業を継ぐ使命を負わされ、音楽の勉学に進むことを断念せざるを得ませんでした。
しかし、第一次世界大戦以後の爛熟した文化の中心地パリで、音楽家のみならず、ジャン・コクトーなどの文化人、モディリアーニ、ピカソなどの画家、アポリネールをはじめとする多くの詩人たちが活躍する百花繚乱の中、類をな見ない軽妙洒脱、天真爛漫な作風を身につけて行きました。
若きプーランクがかの有名なディアギレフからバレエ『牝鹿』の作曲依頼を受けた事を知ったジャン・コクトーは、協力を申し出ますがそれを敢えて断り、プーランクは台本ナシで作曲を始めます。そして衣装と舞台美術を、淡いパステルカラーの優しい画風のマリー・ローランサンに依頼して素敵な舞台が仕上がります。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第1曲 ロンドー ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 Mar 2023 - 06min - 84 - #83 音楽へと昇華した『雅なる宴』-ドビュッシー『小組曲』
クロード・ドビュッシーか愛好したヴェルレーヌの詩集『雅なる宴』は、前世紀の曲線的、装飾的で甘美な「ロココ絵画」と呼ばれるジャンルの創始者アントワーヌ・ヴァトーの芸術性の高い作品が、ヴェルレーヌの詩作に少なからす影響を与えたに違いありません。
「詩のリズム、言葉の響きとの戯れ、音楽への明示的な言及により、詩そのものが歌のような雰囲気を醸し出す」というヴェルレーヌ自身の言葉のように、ドビュッシーはその詩を素晴らしい音楽に昇華させました。
『雅なる宴』の一節
Cependant la lune se lève
Et l’esquif en sa course brève
File gaîment sur l’eau qui rêve.見事に綺麗な韻を踏んでいます。
評論家のジャック=アンリ・ボルネック(Jacques-Henri Bornecque)は、優しいものから皮肉なものまで、さまざまな場面や出会いを表現した22編の詩が収められているこの詩集を『小組曲』と呼んだそうです。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「小舟にて」 ピアノ/江澤隆行
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 Mar 2023 - 12min - 83 - #82 ヴェルレーヌの詩に触発されて-ドビュッシー『小組曲』
ドビュッシーが9歳の時、後に出会う詩人ヴェルレーヌの義母アントワネット・モテ・ド・フルールヴィル夫人に、ピアノのはじめ、基礎的な音楽の手ほどきを受けます。
その後ドビュッシーは、ヴェルレーヌの流麗でリズミカルな詩作に惹かれ、たくさんの歌曲を生み出すことになります。
中でも『雅なる宴 (Fêtes galantes)』は特にドビュッシーのお気に入りで、ローマ大賞受賞してローマに滞在する際も携えて行くほどで、『小組曲』はその詩集からのインスピレーションを得られた、とあります。
その一節
Cependant la lune se lève
Et l’esquif en sa course brève
File gaîment sur l’eau qui rêve.
と、見事に綺麗な韻を踏んでいます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「メヌエット」「バレエ」 ピアノ/江澤隆行
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Feb 2023 - 12min - 82 - #81 フランスの作曲家は連弾がお好き?-ドビュッシー『小組曲』
クロード・ドビュッシーの生家があるサン=ジェルマン=アン=レー(Saint-Germain-en-Laye)は、パリの西に位置し、1124年、ルイ6世によって最初の城塞が築かれてから1689年に国王ルイ14世がヴェルサイユに移り住むまで、王の居城であった由緒ある土地です。
しかし、父親の仕事の都合の他、パリ・コミューンに参加して捕らえられたりなど、家庭の事情でドビュッシーが8歳の頃には南仏カンヌの叔母の元で暮らすことになります。そこでの学校関係など初等教育の資料などもあまり残っておらず、後年、ドビュッシー本人もほとんど語らなかった、と。
そのような境遇は、その後のドビュッシーの人格形成に影響を及ぼさなかったのでしょうか.‥。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「行列」 ピアノ/江澤隆行
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 Feb 2023 - 12min - 81 - #80 いつにない激しさは情熱か?-フランク『ヴァイオリン・ソナタ』
セザール・フランクがいかに無欲、善良、つまり聖者のような人物だったかという人間性については数多くの人の証言があリます。
彼を間近で観察し続けた作曲家のヴァンサン・ダンディは「彼の作曲の動機は、栄光でもなく、金でもなく、安易な成功でもなかった。彼の目的は、芸術を手がかりに自らの思考と感情を表現しようとすることだった。そして、何よりも真の意味で彼は謙虚な人だった」と語っています。
かのドビュッシーは、パリ音楽院在籍中、一時期フランクの和声クラスに属したものの、正統でアカデミックなフランクの教えについて行けず、教室から逃げ出し、別な部屋で自分の好きなハーモニーを引き続けていた事があった時も「好きなだけ好きな和音を弾くといい」と許容したそうな...。
しかし、ドビュッシーがフランクについては深い敬意を持ち続け、彼が嫌ったワーグナーに唯一対抗しうる「フランス音楽」の作曲家という評価もしていた、とも‥.。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『ヴァイオリン・ソナタ』第二楽章 西崎崇子/ヴァイオリン イェネ・ヤンドー/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 Feb 2023 - 09min - 80 - #79 結婚式に初見で演奏!-フランク『ヴァイオリン・ソナタ』
ヴァイオリン・ソナタのピアノパートといえば、ともすればヴァイオリン・ソロに従属的であることが多い中、フランクのソナタの場合、ソロに寄り添う場面もあるものの、そのピアノ・パートの音楽的な雄弁さは、ピアニストにとっても興味深いのでしょう。
その証左として、枚挙に暇(いとま)がないほど、歴代の名ヴァイオリニストと共に名ピアニストたちが録音を残しています。
ティボー/コルトー(1929年録音) ハイフェッツ/ルービンシュタイン(1937年録音) オイストラフ/リヒテル(1968年録音) ギトリス/アルゲリッチ(1977年録音)などなど...。因みに、コルトーはピアノ独奏用に自ら編曲しています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『ヴァイオリン・ソナタ』第四楽章 西崎崇子/ヴァイオリン イェネ・ヤンドー/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 Feb 2023 - 14min - 79 - #78 フォーレ『ドリー組曲』-シンプルゆえの表現あり
当時のフランスの音楽界にとって、ワーグナーの音楽は全く異質であったが故に、作曲家たちはこぞってドイツまで出かけ、ワグナーオペラの体験をしたようです。心酔するもの、影響を受けるもの、拒絶するものと、反応もまちまちでした。
そんな中、フォーレは作曲家仲間のメサジェと《バイロイトの思い出(Souvenirs de Bayreuth)》(お気に入りのワグナーの主題によるカドリーユ風の幻想曲)という、『ワルキューレ』から『神々の黄昏』のテーマを網羅したピアノ連弾曲を書きます。
カドリーユ(Quadrille)とは17世紀に流行した4人一組で頻繁に相手を替えて踊る舞踏のことで、多分にワグナーの音楽を揶揄しているのでしょうか‥。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「スペインの踊り」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 27 Jan 2023 - 17min - 78 - #77 ドリーの誕生日は音楽とともに
ガブリエル・フォーレは、パリ・マドレーヌ寺院のオルガニストとしてサン=サーンスの後任に指名されるほどの優秀なオルガン奏者であり、パリ音楽院の作曲科教授に就任してからもモーリス・ラヴェルなどの人材を育て、その後パリ音楽院院長も務め、学士院会員にもなる、という、勤勉、実直で人望も厚かった人物像が浮かび上がります。
その音楽は、当時フランスに吹き荒れたワーグナーの鮮烈な風を、許容し受け入れつつも、直接的な影響をあまり受けないという、教育者としての毅然としていた稀有な存在でもあったようです。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「ミ・ア・ウ」「ドリーの庭」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 20 Jan 2023 - 14min - 77 - #76 夢見る親子での連弾⁉︎ 子どものためのピアノ曲
画家が、絵に描きたい、描いておきたいという衝動にかられるは、自分の脳裏に留めておくだけではなく、その美しさを誰かに伝えておきたいという思いなのではないかと邪推します。
では音楽は、といえば、そこまで具象ではないにせよ、やはり敢えて何かを伝えておきたいという、意志や意図が曲に潜在しているのでしょう。まして、その対象が愛らしい女の子であったなら、なんとも淡い夢見心地の曲想になるのでしょうね。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』より「眠れる森の美女のパヴァーヌ」、ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「子守唄」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 13 Jan 2023 - 16min - 76 - #75 シンフォニーの新たなカタチ-フランク『交響曲 ニ短調』
セザール・フランクはベルギー生まれながら、現在ではフランス音楽の代表的な作曲家と位置付けられています。
存命中はパリ音楽院の教授や教会のオルガニストとしては著名でしたが、意外にも作曲家としての評価はあまり芳しくなかったようで、同時代のグノーやサン=サーンスからは辛辣な言葉を浴びせられました。
この時期、斬新な転調、半音階的進行などを駆使したワーグナーの手法に出会って、その影響を色濃く受けたせいかも知れません。 しかし、フランク独自の巧緻な筆致に新たな語法と洗練が加わり、フランクの音楽は大きく飛躍して、この交響曲に結晶しています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第一楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 06 Jan 2023 - 10min - 75 - #74 ふんわり展開する循環形式-フランク『交響曲ニ短調』
ハイドン、モーツァルトと伝統的に踏襲されてきた、機能和声の立体感のあるスクエアな構築性の拡大とも取れる4楽章形式の交響曲。ベルリオーズなどの例外はあるものの、その枠の中に止まる、あるいは留まらざるを得ない必然性があったのでしょう。
しかし、フランクに至って、4楽章の四角い立方体から、主題が繰り返し現れる循環形式の3楽章三角錐の重なりのようなシンメトリーな形に変容します。音楽的な盛り上がりも楽章の終わりを目指すのではなく、山の峰を俯瞰するが如く、多様に調性やオーケストレーションを替えて、繰り返し繰り返し現れます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第三楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 30 Dec 2022 - 08min - 74 - #73 華麗なる転調の世界-フランク『交響曲ニ短調』
セザール・フランク(セザール=オーギュスト=ジャン=ギヨーム=ユベール・フランク(César-Auguste-Jean-Guillaume-Hubert Franck)は、現在のベルギー王国リエージュ(当時のネーデルラント連合王国)、時代によって国境線が目まぐるしく塗り変わり、多様な言語が入り交じる地域で、ドイツ系の家系に生まれました。
フランスに赴いてパリ音楽院への入学を志しますが、外国人と言う理由で音楽院長のケルビーニに一度は入学を拒否されるものの、前年チェロで例外的に入学を許されたプロイセン王国(現ドイツ)から来たオッフェンバッハの例を引き合いに出し、特別に入学を許可された経緯があります。後に、パリ音楽院の教授に任命された折は、フランス国籍を取得しています。
このような自らのアイデンティティーの多様さが、フランクの音楽に影響しているのは否めないのかもしれません...。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第二楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 23 Dec 2022 - 14min - 73 - #72 「全員の踊り」-ディアギレフと5/4拍子の意外な関係⁉︎
セルゲイ・ディアギレフ。ロシアバレエ団(バレエ・リュス/Ballets russes)を率いて大成功を収めた辣腕興行師のように伝えられる事が多いようですが、ディアギレフはロシア貴族の出で、深く広い教養を持つ先見性に満ちた人物だったようです。
まだ二十代のロシア人作曲家ストラヴィンスキーにロシア民話を題材にした『火の鳥』、直後には『ペトルーシュカ』を依頼、パリで大成功を収めます。
同じ時期、早くからその才能に注目していた若いラヴェルにも『ダフニスとクロエ』の作曲を依頼するなど、これらの作品群はパリを中心に、その時代の音楽の本流となって行きます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「全員の踊り」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 16 Dec 2022 - 13min - 72 - #71 精緻なる音絵巻-ラヴェル『ダフニスとクロエ』
「スイス製の時計のような...」という、ストラヴィンスキーの言葉を借りるまでもなく『ダフニスとクロエ』のスコアに書き込まれた音符の精緻さは、あたかも点描の絵画から朧(おぼろ)げな輪郭が浮び上がるように綿密に計算されて並べられいて、全曲版の分厚いスコアを俯瞰して湧き上がって来る音は、絵巻物を見ているようです。
作曲を依頼したディアギレフは、その情景の色彩のみならず、均一ではない空気の漂いや淀みまでを感じさせ、音符という記号の積み重ねでそれを体現するというラヴェル素晴らしい能力をここまで予見していたのでしょうか。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「夜明け」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 09 Dec 2022 - 15min - 71 - #70 滑らかさと正確さと-「パントマイム」のフルートソロ
モーリス・ラヴェルの最後の棲家があるモンフォール=ラモリー(Montfort-l'Amaury)は、パリの西、ヴェルサイユ宮殿の広大な庭園の脇を走り抜けて間もなくの、小さな村です。
その家は傾斜地にある為、町や周りの森を見渡せる居間の階から、小さな螺旋階段を降りた庭に面したところに寝室があります。
ラヴェルは、夜眠れず森を散歩したりする事も多かったとの事。昼間眠るためか、その部屋は地中海の薄明るい夜のような淡い黄色に塗られていて、壁の四隅にはコリント式の柱頭が描かれています。窓の雨戸(volée)には星と三日月がくり抜かれ、そこから光が漏れて、夜空に輝くような演出。これらは総てラヴェル自身が自らの手で作業をしたのだと。この不思議な色彩感の空間の中、ラヴェルは天蓋の付いた小さなベッドの上で、若いころ作曲した『ダフニスとクロエ』の舞台になったギリシャへ憧憬を思い出すのでしょうか。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「パントマイム」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
インタビュー/トマ・プレヴォ 元フランス国立放送管弦楽団 フルート主席奏者
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Dec 2022 - 10min - 70 - #69 フルートが引き出すオケの魅力-ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》
増四度の不明瞭な浮遊感を保ちつつ、輪郭の曖昧な世界を創り出す才能。
それまで多くの作曲家が、少しずつ拡げて来ていたハーモニーの流れや拡がりを、一気に未知の方向性に踏み込んだのは、やはりドビュッシーのエキセントリックとも思える性格や行動とは無縁ではないのでしょう。
その流れは、ラヴェル、プーランクを経て、遥かオリビエ・メシアンの不可思議な世界へと伝わって行きます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』 中田昌樹/指揮、エルムの鐘交響楽団/演奏
インタビュー/トマ・プレヴォ 元フランス国立放送管弦楽団 フルート主席奏者
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 25 Nov 2022 - 26min - 69 - #68 バスクのヴィルトゥオーソに捧げられたサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第三番 第一楽章
サン=サーンスは3曲のヴァイオリン協奏曲を作曲しましたが、第二番を書き上げた後、第三番に着手するまでに20年の月日が流れます。
その間、協奏曲に限ってもピアノ協奏曲2曲、チェロ協奏曲と、妙技/名人芸をふんだんに盛り込み、技巧的にも難しい名作を生み出していました。しかし、何故か、この第三番にはヴァイオリンにとって腕前を衒(ひけらかす)ような複雑な重音奏法や超高速のパッセージはほとんどなく、むしろヴァイオリンの豊かで芳醇な音色と、サラサーテが得意とされたハーモニックス奏法(倍音)で奏でる舞い上がるように透き通った高音で全曲が満たされています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲ヴァイオリン協奏曲第三番 ロ短調 第一楽章 パトリック・ガロワ/指揮 ファニー・クラマジラン/ヴァイオリン
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ/演奏
インタビュー 破魔澄子 元フランス国立管弦楽団 ヴァイオリニスト
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 18 Nov 2022 - 19min - 68 - #67 バスクのヴィルトゥオーソに捧げられたサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第三番 第二楽章
サン=サーンスと親交が深かったサラサーテは、現在スペイン領ナバラ州で生まれたバスク人。フルネームはバスク風に父方/母方の両方の姓を名乗るパブロ・マルティン・メリトン・デ・サラサーテ・イ・ナバスクエス(Pablo Martín Melitón de Sarasate y Navascuéz)。
マドリードの音楽院で学び、10才のときにスペイン女王イサベル2世の前で演奏を披露し、続いてパリ音楽院に入学、13才で卒業する神童振りを発揮します。
フランスを中心に活躍するも、独特の文化/言語を持つ故郷のバスク地方の音楽への関心も強く、ソルツィーコ(zortziko) という5/8拍子(1+2+2)の伝統的な舞曲を一般に分かり易いように3/4拍子の記譜に直し、リズムを微妙に揺らして、本来の5/8拍子のように弾いて見せたそうです。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲ヴァイオリン協奏曲第三番 ロ短調 第二楽章 パトリック・ガロワ/指揮 ファニー・クラマジラン/ヴァイオリン
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ/演奏
インタビュー 破魔澄子 元フランス国立管弦楽団 ヴァイオリニスト
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 11 Nov 2022 - 16min - 67 - #66 バスクのヴィルトゥオーソに捧げられたサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第三番 第三楽章
モーツァルトと再来とも言われた早熟の天才サン=サーンス。若くしてパリ音楽院を卒業し、作曲家としての活動のかたわら、弱冠23才でその後20年間務めることになるパリ・マドレーヌ寺院のオルガニストという名誉ある地位に就きます。
その頃、13才でパリ音楽院したばかりの天才ヴァイオリン奏者サラサーテに出会い、お互いの才能を敬愛し合い、度々一緒に旅行するほど意気投合したようです。
バスク地方に生まれ、スペイン文化の影響を受けて育ったサラサーテの為に、サン=サーンスはさっそくスペイン風の『カプリス(奇想曲)』を作曲します。
そのテーマは20年以上後に書かれ、サラサーテに献呈されたヴァイオリン協奏曲第三番の第三楽章冒頭に用いられています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲ヴァイオリン協奏曲第三番 ロ短調 第三楽章 パトリック・ガロワ/指揮 ファニー・クラマジラン/ヴァイオリン
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 04 Nov 2022 - 12min - 66 - #65 人生の荒波を思わせる – ドビュッシー『海』
ドビュッシーが『海』の作曲を始めてから初演に至るまでには、三年という長い時間が費やされました。 海からは遠く離れた、ブルゴーニュ地方の妻リリーの実家で作曲を開始。直後、パリに戻ったところで裕福な銀行家夫人と出逢い、たちまち恋に落ちて、ジャージー島、ノルマンディと、海の近くに旅立ちます。 パリに戻ったところで、リリーの知るところとなり、彼女はなんとコンコルド広場でピストル自殺を計ります。未遂に終わったものの、親しい友人たちの多くはドビュッシーのもとを去って行った、と。 第二曲の水面を吹き抜ける風を思わせる流麗な音の流れに比べて、第三曲目の荒々しい海を思わせる曲想は、そんな周りの状況が微妙に影響しているかもしれません。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第3曲「風と海の対話」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 28 Oct 2022 - 06min - 65 - #64 変化に富んだ音符たち-ドビュッシー『海』
『海』のオーケストラスコアを俯瞰すると、今までの規則通りに整然と並んでいた音符たちとは全く違う音型/配列で、とても変化に富んでいます。
それは、取りも直さず、ドイツ的な起承転結で均整の取れた機能和声ではなく、むしろそれまで禁則とされていた和声の並行五度/八度の使用、教会旋法や不安定な増音程などを多用していることで、すっかり違う風景になってしまっているのですね。
初演にあたって、指揮者のカミーユ・シャヴィヤールのみならず、オーケストラの奏者たちも、画期的ではあれ、あまりに革新的なドビュッシーの書法に、直ぐに対応出来なかったであろうことは、想像に難くありません。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第1曲「海上の夜明けから正午まで」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 21 Oct 2022 - 11min - 64 - #63 自由な発想での管弦楽曲-ドビュッシー『海』
三部からなる管弦楽曲で、交響詩『海』と呼ばれることもありましたが、原題は La Mer, trois esquisses symphoniques pour orchestre(管弦楽のための3つの交響的素描)とあり、フランツ・リストが提唱した自由な発想における管弦楽曲、という枠を超えた、より具体的な表現になり、各楽章ごとに表題も添えられています。 しかし、その表題も、作品がほぼ完成し、出版間際になって変更しました。 例えば第一楽章「サンギネール諸島付近の美しい海(Mer belle aux Îles Sanguinaires)」(作曲のきっかけになったと思われるカミュ・モクレール小説の題)から「海上の夜明けから真昼まで(De l'aube à midi sur la mer)」のように。 それは、自身も語っているように、『総て頭の中にある海の記憶』で、ブルゴーニュ地方の山あいで作曲を始め、のちに訪れるジャージー島やノルマンディ地方の海を目の前にして、何某か変化があったからなのでしょうか‥。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第2曲「波の戯れ」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 14 Oct 2022 - 08min - 63 - #62 名曲満載!ビゼーのカルメン-その3
《カルメン》の登場人物といえば、タバコ工場の女工たち、密輸業者、流れ者、終いには恋人を刺し殺す輩。「これでは観客が逃げ出してしまう! オペラコミックは家族で楽しむ劇場なのだよ。有り得ないことだ!」というコメントをオペラコミック座支配人 ルドルフ・ル・ルーヴェンが出した程で、初演の反応は冷淡で、その真価が理解されるのは、1878年1月2日のブリュッセルの公演以降であったとか。ビゼーの友人の作曲家ギローが、台詞で進行する部分をレチタティーヴォに改編してグランド・オペラ形式でのウィーン公演を機に、一躍人気が広まりました。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲『カルメン』より「ジプシーの歌」「花の歌」「セギディーリャ」 中田昌樹/指揮 マリアンヌ・デラカサグランド/メゾソプラノ 後田翔平/テノール 田中俊太郎/バリトン 岩永美稚子/ソプラノ 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 07 Oct 2022 - 26min - 62 - #61 名曲満載!ビゼーのカルメン-その2
フランスの劇場の歴史はルイ14世統治時代にまで遡り、1671年オペラ座が、1680年にコメディ・フランセーズが王立化されました。
ナポレオン帝政時代、オペラ座はレスタティーヴォを用いる伝統的なグランド・オペラと、台詞入りのオペラ・コミックの上演を各々の劇場に区分けされた。
オペラ・コミック座で初演された名作は、枚挙の暇がありません。
ベルリオーズ『ファウストの劫罰』1846年12月6日 ビゼー『カルメン』1875年3月3日 ドビュッシー『ペレアスとメリザンド』1902年4月30日 ラヴェル『スペインの時』1911年5月19日 プーランク『テレジアスの乳房』1947年6月3日 プーランク『人間の声』1959年2月6日【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲『カルメン』より「ジプシーの歌」「花の歌」「セギディーリャ」 中田昌樹/指揮 マリアンヌ・デラカサグランド/メゾソプラノ 後田翔平/テノール 田中俊太郎/バリトン 岩永美稚子/ソプラノ 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 30 Sep 2022 - 25min - 61 - #60 名曲満載!ビゼーのカルメンーその1
ジョルジュ・ビゼーは、1838年、音楽家の両親のもとに一人息子として生まれ、熱心で厳格な音楽教育を受けました。わずが9才でバリ音楽院に入学を許され、19才で若手作曲家の登竜門である《ローマ大賞》を受賞するという早熟さを発揮します。
《ローマ大賞》によってもたらされた、家族から遠く離れたイタリアでの厳しい規律や規則のないこの滞在が、ビゼーにとって自由であることの幸福、彼を取り巻く自然の美しいさをを発見することとなります。
「カルメンを作曲したビゼーは、ここイタリアで生まれたのだ」(l'association Les Amis de Georges Bizet /ジョルジュ・ビゼー友の会)
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲『カルメン』より「序曲」「闘牛士の歌」 中田昌樹/指揮 マリアンヌ・デラカサグランド/メゾソプラノ 後田翔平/テノール 田中俊太郎/バリトン 岩永美稚子/ソプラノ 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 23 Sep 2022 - 25min - 60 - #59 愛娘シュシュのためのピアノ組曲ーその3Fri, 16 Sep 2022 - 20min
- 59 - #58 愛娘シュシュのためのピアノ組曲-その2
ピアノを学ぶにあたって、嫌に思うに違いない、退屈な練習曲。
サン=サーンスは『動物の謝肉祭』の《ピアニスト》で、単純ながら半音ずつ上がっていく音階練習曲を「初心者がおどおどした演奏スタイル」で弾くように、という指示まで書き込んでいます。
ドビュッシーは、「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」というわけのわからない題を付け、一見簡単そうでありながら、指が絡み合いそうな意地悪な音形にしたり、中間部にワグナーの難解な『トリスタンとイゾルデ』をチラつかせたり、と‥。
このふたり、揶揄の仕方は違え、共通しているのは、いずれ劣らぬピアノの超名人であったこと。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『子供の領分』より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 09 Sep 2022 - 17min - 58 - #57 愛娘シュシュのためのピアノ組曲-その1Fri, 02 Sep 2022 - 16min
- 57 - #56 異なる水の表現-ドビュッシーの場合Fri, 26 Aug 2022 - 09min
- 56 - #55 異なる水の表現-ラヴェルの場合
クロード・ドビュッシー、モーリス・ラヴェルのふたり。「水」を描写した作品は枚挙に暇(いとま)がありませんが、その表現、描き方はまったく違った色彩感と視点の動きを感じます。
ラヴェルは、遺された写真のように、いつもきちんとネクタイをしてスーツを着ているのが日常であったであろうし、その作品の中でも古典的な形式感の中で縦横なハーモニーを展開しても、決して、その堅い鎧を脱ぎ捨てようとはしませんでした。付点音符を使うことさえ憚り、遠慮しているように思えるほど、音符の縦の線の間隔だけで、水の動きを表わす手法はどこまでも緻密なのです。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『水の戯れ』 フランソワ=ジョエル・ティオリエ/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 19 Aug 2022 - 13min - 55 - #54 ドビュッシー『夜想曲』第3曲「シレーヌ」
『夜想曲』第3曲「シレーヌ」、オペラ『ペレアスとメリザンド』の海の情景、そして集大成としてのオーケストラ作品『海-管弦楽のための3つの交響的素描』と、ドビュッシーは、海の様々な表情を音を通して具象化します。
「海には無数のリズムが潜んでる」と自身が語るように、その波の動きなど海に対する鋭敏な感受性は、幼少時過ごした南フランス、カンヌで日常的に眺めていた地中海が原点なのでしょうか。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『夜想曲』第3曲「シレーヌ」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団・ライプツィヒMDR放送合唱団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 12 Aug 2022 - 07min - 54 - #53 ドビュッシー『夜想曲』第2曲「祭」Fri, 05 Aug 2022 - 09min
- 53 - #52 ドビュッシー『夜想曲』第1曲「雲」
まだ18才のドビュッシーが、依頼された歌曲の伴奏を通しての、裕福な夫人との邂逅。「挑みかかるように、心の平静を乱す眼差しになる術を心得ていたその碧い目と、豊満な姿態」を持つヴァニエ夫人の虜にならぬ筈もなく、その関係は10年近くもの長きに渡ります。
その間、入り浸っていたヴァニエ家の書斎で読み耽った詩集や文学書に多大な影響を受け、やがてマラルメの主宰する詩人、作家など芸術家が集う「火曜会(les Mardis)」に、音楽家として唯一参加するようになります。
そこでの知識人との知遇から得た、未知の世界から『牧神の午後への前奏曲』をはじめとする作品群が生まれ、ドビュッシーの作風が確立されて行きます。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『夜想曲』第1曲「雲」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団・ライプツィヒMDR放送合唱団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 29 Jul 2022 - 09min - 52 - #51 ドビュッシーが誘う、まどろみの午後 - 革新的なバレエを生む
クロード・ドビュッシーの父親はパリ郊外で様々な商売を営むがうまくいかず、勃発した普仏戦争でパリ・コミューンに参加するも捕虜となり、4年間も投獄されます。生活は困窮を極め、幼少のクロードは南仏カンヌの叔母の所に預けられることに。そこで初めてピアノに触れた、という記述はあるものの、きちんと学校に通ったという記録が皆無で、クロードの少し内向的で偏屈な性格形成に影響したこと無縁ではなさそうです。
パリ音楽院在学中、クロードは学生たちの前で、自分の名前をわざと Debussy ではなく de・Bussy と書いていた、と。”de” は貴族の称号(ドイツ圏ではvon)。その独特な少し奇異な雰囲気からも、高貴な家柄を漂わせようとしたのでしょうか...。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』 中田昌樹/指揮、エルムの鐘交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 22 Jul 2022 - 13min - 51 - #50 ドビュッシーが誘う、まどろみの午後 - 浮遊感のヒミツFri, 15 Jul 2022 - 15min
- 50 - #49 ドビュッシーが誘う、まどろみの午後
「ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》のフルート・ソロ、《夜想曲》の『雲』で用いられているコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)の存在がなければ、その後の音楽の進展はまったく違ったものになっただろう」
現代音楽の旗手で作曲家のみならず指揮者としても活躍した、ピエール・ブーレーズの語った言葉の如く、それまでの、繊細ながら輪郭線のはっきりした音楽から、ドビュッシーの書いた音符が昇華して、ぼんやりとした浮遊感すら感じられるような音楽へと、鋭角的に方向性が変遷して行きます。そしてオペラ《ペレアスとメリザンド》では、原作者メーテルリンクの「水が眠るような音」に呼応した音楽を奏でます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』 中田昌樹/指揮、エルムの鐘交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
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Fri, 08 Jul 2022 - 20min - 49 - #48 ベルリオーズが描く幻想という名の宇宙
フランス南部、リヨン近くの小さな町、ラ・コート=サンタンドレ(La Côte-Saint-André)の裕福な医者の家に生まれたエクトール・ベルリオーズ。でも町にはピアノを持つ家もなく、ベルリオーズ幼少時に与えられた楽器は縦笛とギターだけでした。かくして、ピアノを全く弾かない/弾けない作曲家が誕生する事になります。
しかしながら、それによって、モーツァルトやベートーヴェンのように、ピアノという平板的な響きからは想像し得ない、立体的な宇宙観の音楽が、彼の頭の中だけで鳴り響くことになります。《葬送と勝利の大交響曲》《死者の為の大ミサ曲》など、それを現実の音として形にするには、破天荒と思われるような数百人にも及ぶオーケストラや合唱団、四方に配置された金管バンダというサラウンド方式さえ編み出します。
その発想は、後にヴェルディ《レクイエム》をはじめ、多くの作曲家の指針となったことは間違いありません。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲『幻想交響曲』第5楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 01 Jul 2022 - 11min - 48 - #47 ベルリオーズの幻は続く
ベルリオーズの著した《管弦楽法》の『オーケストラの章』には、こんな事が書かれています。「時間と資金と労力が得られれば、巨大オーケストラの編成はかくあるべきだ」と。ヴァイオリン120、ヴィオラ40、チェロ、コントラバス、木管楽器62、金管楽器47、打楽器55、ハープ30、ピアノ、オルガン1で計467人という、破天荒で非現実的な数字が列挙されています。
実際に《レクイエム》(死者のための大ミサ曲(Grande Messe des morts )ではティンパニ8対16台を10名の奏者で叩かせたり、コントラバスよりさらに1オクターブ低い音が出せる『オクトバス(octobass)』を考案/発注したりもしています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲『幻想交響曲』第4楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Jun 2022 - 11min
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